山口県にある蒸気機関車と言えば「SLやまぐち号」のC57 1号機を思い浮かべる人が大半だろう。動態保存されている蒸気機関車が注目されがちだが、日本全国には沢山の静態保存機が存在している。
北九州からほど近い、山口県の山陽小野田市の殿町児童公園にはD51 300号機が静態保存されているのだが…..見るも無惨な姿で今にも朽ち果てようとしていた。
本線引退後の1973年から同公園に保存されているが、1997年の整備を最後に手つかずの状態。非常に荒廃が進んでしまった。
痛々しい姿に見兼ねた地元SLファンが、機関車の修復を提案したところ、全国各地から多くの協力の声
当日は好天にも恵まれ、整備の知らせを聞いた地元の方々も作業に加わりました。
グラインダーで錆を研磨していく。これは磨きがいがあるぞぉ!
くたびれている部分もしっかり補強していきます。
消えそうだった命の燈を消す事なく、少しずつ元気な姿を取り戻していく。
ボディの研磨が終わり、いよいよ下地のさび止め塗料を塗って行く。みよ、この赤を! まるで何でも3倍になってしまう、シャア少佐もビックリな美しさ。
ここまで来たらもう一息。慎重に本塗装を仕上げて行く…
作業開始から7日目の9/23、主要部分の塗装が完了!
最後の整備から17年、D51300号機はついに漆黒の雄姿を取り戻したのでした。
復活したD51300号機の、素晴らしい出来映えはアナタの目で確かめて欲しい。
全編
後編
一つの目標に向かって何かを成し遂げるのって、素晴らしい事ですね….やっぱりデゴイチには黒がお似合いです。
動態保存機だけでなく、動かなくなってしまったSL達を綺麗な状態で保ち続けるのは、日本人のモノを大切にする心の現れではないでしょうか。
昭和14年10月〜昭和47年12月1日までの僅か33歳という若さで廃車されることとなった、D51300号機の走行距離は186万2426.2km!これは地球を約46.5回廻った事と同じ。
かつて日本の大地にこんな大きな鉄のかたまりが、煙を吐きながら元気に走っていたのだという事を、これからも後世に残す必要があるでしょう。