トヨタ・スポーツ800(通称ヨタハチ)という小型スポーツカーをご存知だろうか。
1965年に発売された愛くるしいボディをまとったヨタハチは、
もう軽く50年も前の車である。
そんな昔に小型2シーター &脱着可能なルーフ、
(ポルシェで言う所のタルガトップ)を搭載したクルマが、
トヨタから出ていたなんてちょっと信じられない話です。
総生産台数3131台しかないこの貴重な車が
アメリカで現存している。
愛くるしいヨタハチについて熱く語るのは
アメリカ人のシルベスタ・スコットさん。
ただでさえ少ない生産台数に加えて輸出モデルも殆ど無かった事から、
一体なぜ左ハンドルのヨタハチが現存しているのでしょうか。
ここでピンと来た方は余程の車好きか、歴史好きです。
ヨタハチが販売されていた1965年〜1969年は沖縄返還前なので、
沖縄で走っているクルマは米国に習って左ハンドルでした。
何とスコットさん、沖縄向けモデルとして販売されていた
左ハンドル車を手に入れていたのです。
流石に発売から50年も経過しているヨタハチの修理用パーツを探すだけでも
相当な苦労をしているようです。
それでもこうして大事に乗られている映像を見ると、
スコットさんのヨタハチへの情熱が伺えます。
アメリカの荒野を駆け抜けるヨタハチ。
非常に味があって、クラシックカーの良さが引き出ています。
軽さ&空力で攻めたヨタハチは、
当時ライバル格だったホンダのS800
(高回転型エンジン&ヨタハチより重量級のボディを搭載)と対照的に、
さながら日本軍のゼロセンのようです。
50年も昔にタルガトップを採用していたという点も、
非常にユニークだと思います。
愛すべき日本のクラシックカーが
外国人の手によって大切にされているというのは非常に嬉しい事ですね。
クルマ好きに国境など関係ないってことでしょう!