もはや可夢偉の2015年 F1参戦は絶望的か。 マクラーレンホンダのドライバー確定から見る可夢偉の今後を考える。

先日11日、待ちに待ったマクラーレンホンダのドライバーが発表された。

予想されていた通りではあったが、そこに我らが日本人F1ドライバー
小林可夢偉の名前は無かった。

2014年はフェラーリ(WEC)との契約を破棄し、ケーターハムF1チームから無報酬で走るという条件でF1の舞台へカムバックした。

が、そこには当然2013年のドライバーシート獲得の為に集めた数億もの持参金を持ってお金で買ったという事実がある。

そう、F1はビジネスなのだ。
ドライバーの速さだけがシート獲得の優先事項ではないのである。

そんな状況の中、
可夢偉の2015年はどうなるのか考えてみる。

最初に、2014年の可夢偉の特質すべき活躍は無かったのではないだろうか。

Kamui+Kobayashi+F1+Testing+Bahrain+Day+2+0Hx7TipTXbpl

結果から見ても、何をやっても上手く行かない
マイナス要因だらけの年であった。

復帰第一戦であるオーストラリアGPではブレーキトラブルが発生して成す術無く消えて行った。

下手すると大怪我どころでは済まなかった事故だったと個人的には思っている。

2014年から導入された複雑なパワーユニット。
その中でもルノーエンジンは冬期テストから不穏な動きを見せる。

いざ開幕してみれば、レッドブルが独走したV8エンジン時代とは打って変わって、ルノーを失意のどん底へ陥れた。

満足に走行する事さえままならない、ルノーエンジンを搭載するケーターハム。

今年ケーターハムに目立った活躍が無ければ、
チーム撤退も止む終えないというボス、トニーフェルナンデスの発言

それに加えて資金難に喘ぎ、
下位カテゴリーであるGP2マシンよりもラップタイムが遅いケーターハムの保守的なF1マシン。

2014年はF1史上最悪の外観だと言われたが、その中でもケーターハムのF1マシンはぶっちぎりのワースト外観ではなかっただろうか。

F1 ケーターハム

やはり醜いクルマは速くないのである。

例えドライバーの実力が良かったとしても、
まったく戦える戦力ではない非力なマシンでコース上に出されてしまっては、大クラッシュや、大雨などの外的要因が無ければ術はないだろう。

見ているファンからしても、全く国際映像に映らないケーターハムは見ていて面白いものではなかった。

毎戦アップロードされる、小林可夢偉公式Youtubeチャンネルでの発言も
シーズンが進んで行く度に、なんだか適当な発言が多かったのではないか。

1台、2台抜いてフィニッシュしてもポイント圏内にはほど遠く

「あれ、何位でしたっけ?19か20位くらいやったと思いますけど。」

なんて事を言っていた時は、
彼の中からモチベーションが無くなっている印象を受けた。

資金難から全くアップデートが入らない車では戦える筈もなく、
遂にベルギーGPではシート喪失という事態に遭遇。

巡り巡ってシート復帰と思ったら、撤退の危機に直面したり
外的要因に振り回されてドライバーとしての仕事さえままならなかった。

ザウバー時代は上位チーム、即ち戦えるクルマが有る所に移籍出来ないのであれば
意味がないとさえ発言していた可夢偉であったが、

F1復帰を優先して下位チームに甘んじた結果がこれである。

予想できた結果であったかもしれないが
これではファンに夢を届ける事さえ出来ない。

先日、新生マクラーレンホンダから発表されたドライバーリストは、かなりの焦らしプレイだったが(苦笑

alonso

予想通りフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンのコンビである。
2014年ルーキーとして走ったマグヌッセンはサードドライバーへと降格。

二人のワールドチャンピョンに対しては、幾ら若さと速さがあった所で、少々分が悪かったであろう。

このニュース、我々日本人ファンにとっては
来年の日本人ドライバー不在への危機である。

頼みの綱は日本企業であるホンダと可夢偉本人も思っていたかもしれないが

彼はトヨタの育成ドライバー出身である。

ホンダとしては当然、
ホンダの育成ドライバーを乗せるというプランもあっただろうし

復帰する以上、勝利は確実の物としなければならない。

現役最強ドライバーであるアロンソの獲得に動いたのも当然だと言える。
残留が決まったバトンを押しのけてシートに座る余地は無かっただろう。

これで2015年のF1シートの空席は
出場がどうなるのかすら決まっていないケーターハムだけである。

ケーターハムF1チームは来期、
2014年エンジン&マシンの使用を特別に許可された。

あくまで可能性としてケーターハムの
2015年F1参戦は出来るかもしれないが、

そんな希望が無さそうな場所に小林可夢偉本人が戻って行くのだろうか。

例え新生ケーターハムから給与を貰う形でオファーを受け取ったとしても、
またバックマーカーでうろちょろと走るのであれば、違う道を模索する必要もあるのではないか。

筆者としては2015年に
小林可夢偉が何としてでも、F1に残る必要は無いと思っている。

Kamui_Kobayashi_2

小林可夢偉が登場する以前に活躍した

ホンダF1ドライバーの佐藤琢磨も、F1参戦にこだわり、
2006年 ~2008年までスーパー亜久里という荒技で救済され、延命していた。

fernando-alonso1715secc1_g1

しかし、結果は散々な物であった。

2009年参戦へ向けてトロロッソのテストに参加までしたが
政治的な理由?もあってか、復帰する事は出来なかった。

F1を去った佐藤琢磨選手は、
アメリカ インディーに舞台を移し 、見事優勝している。

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彼は新たな活躍の場を見つけ、そしてF1時代以上に楽しんでいるように見える。

無論、インディーカーはHONDAエンジンのバックアップ付き。

やはり日本人ドライバーは日本企業の支援あってこそではないかと思える。

トヨタ系列の中嶋一貴も
トヨタエンジンを搭載したウィリアムズで走り。

naka_will_bahr_2009

トヨタの支援でWECやル・マンに参戦し、
第一戦で活躍している。

もはやF1は速さが証明されているGP2チャンピョンでさえ
ステップアップ出来ない時代。

ファンとしては物足りないが、現在のF1はビジネスであり、
多少ドライバーが遅くても持参金とスポンサーの多さが勝敗を左右する。

F1がモータースポーツの最高峰でなければならないという意味合いからは、遠ざかっているように思えてならない。

F1が面白い、面白くないという話は別として

小林可夢偉が2015年にバックマーカーで走る必要はもはや無い。

彼の攻撃的なオーバーテイクは世界中のファンを魅了する。
小林可夢偉のF1という1つの物語に幕を閉じ、

新たな舞台で華麗なオーバーテイクを見せつけて活躍して欲しい。

そんな訳でまとめると
小林可夢偉の2015年を含む今後は下記のような感じではないでしょうか。

  • バックマーカーとしてケーターハムF1から参戦
  • トヨタの支援でWECやル・マンに参戦
  • 国内レースに目を向けて、スーパーGTやスーパーフォーミュラに参戦
  • サムライとしてDTMやWTCCに参戦(可能性低い?)

彼の今後の活躍に期待です!

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